北海道ツー③

3日目(旭川稚内)386.1km 4743円

 

朝04:00に目覚める。雨が降っているので、テント内でパンを食べて、道や行き先を調べて過ごし、07:00に出発した。カッパも着ず雨対策もほぼなしで出発した。旭川北~和寒(わっさむ)ICまで1区間(無料)だけ使って、降りた頃にはすごい雨である。IC降りたところでカッパを着、荷物はまぁいいやブルーシートを探しながら行こうと思ってコンビニを転々とするけど売っておらず、大きいサイズのビニール袋を買って巻いて処置した。北海道に行く前に研究室の院生から聞いていた塩狩峠に行ってみた。一応撮影する。蛾が大量で道には轢かれてぺちゃんこになった蛾と、木々には群がって黄色くなるほどである。記念館は閉まっていたので早々に撤収することにした。しかし…ここでスペアーの鍵を紛失したことに気づく。辺りを探すけど、草の中から探し出すことはできず。出発時に荷物に引っ掛けて曲げて使えなくなってしまった本鍵をトンカチで直して復活させる。雨の中R12で神居古潭に行った。あんまり見所はなくてSLの写真だけ撮って、すぐに深川の戸外炉峠へ向かうが、80km/hで走ってたら取締りの準備をしている警官たちがいた。もう少し遅く通っていたら捕まってたかもしれない。戸外炉峠にはトトロのバスがあり、覗いてみると中は宿泊として使っていたのか布団とかいっぱいあったけど廃墟みたいになってて不気味だった。

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深川ICから深川西ICまで乗ってr47・r94・R275でひまわりの里へ行ったがひまわりは全滅していた。“全滅”という表現がしっくりくる感じで、全部倒れて汚く枯れかけている状態だった。

この辺りで雨が土砂降りとなった。道の駅北竜でも蛾が大量である。道々で、近寄ってもなかなか逃げないカラスが多くて、北海道のカラスは肝が据わってんのかなーと思っていたが、路上の蛾をついつまんでいたのだ。給油し、セイコーマートでパン買ってバッグの雨対策して、ブーツの中にビニール袋履いて、出発。いよいよ、萌の丘、恵比島に行った。萌の丘手前の道では一面田んぼで見晴らしがいい景色なんだけど…雨なんだよなぁ。丘には、連ドラ「すずらん」のことが表記した看板が立っている。感動した。そしていよいよ明日萌駅(恵比島駅)に到着。北海道で最も行きたかったスポットの1つ。以前から調べていた駅校舎が眼前に佇んでいる。感無量だった。とにかくシャッターを切った。構内には[横田写真館][北澤理髪所][中村旅館]の看板が並んでいる。ドラマのシーン・セリフが思い出される。全身に鳥肌が走り、あぁこの為に北海道に来たんだなと改めて感じる。駅構舎に後ろ髪をひかれる思いで出た後は、向かいにあるカフェに行く。中村旅館として撮影されていたところが今年の5月にカフェ“中村屋”としてオープンしたらしい。だいぶタイミングがいい。2階にはロケの写真が飾ってあった。石倉三郎萬田久子のやりとりにも泣ける。ドラマの各場面が思い出される。1階でケーキセット頼んで店を後にする。旅館の壁に[中村旅館 松吉(石倉三郎)と幸子(萬田久子)が営む中村旅館。明日萌駅での列車の乗換えや待ち合わせの人々で中村旅館はいつも賑わっていました。]の看板に涙が溢れる。松吉おじちゃんが色んな葛藤やプライド、思いを抱えながら弁当屋を始め、そして亡くなる。すずらんの中で最も思い入れのある人物。もう一度駅の写真を撮り、恵比島を後にする。

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R233で留萌へ向かう。トラックが多く通るのか、道の轍がひどく、タイヤがとられ水たまりの中を通って靴まで跳ねて大変な状態。留萌に着いたら雨宿りしようと思っていたけど、着いても屋根がない。駅で少し雨が止んだので荷物の雨対策をし直してたら、キャンピングカーで旅しているご夫婦がいて、声を掛けられた。気を付けてね、と。大して何もできずに稚内に向かう。R232でひたすら北上する。途中雨が降ってくる。羽幌で給油しようとしたけど、雨でお札が濡れており機械に入らない。困りに困ってたところ、傍にスーパーがあってポケットティッシュを購入し、なんとかお札の水気を減らして機械に通すことができた。無事に給油でき、お札の間にティッシュを挟んで財布に仕舞い、出発。天塩の道の駅に到着した17時頃には少し陽も出てきてオロロンラインの夕日に否応にも期待が高まる。サイドバックに溜まった雨水を抜いて、r106オロロンラインに。前情報ではライダーmustの道みたいだけど、誰もいない。寝転がって写真撮ったりして遊ぶ。三脚立てて写真撮ってものーぷろぶれむ。

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しばらく行くと、真っ直ぐの道沿いに風車がずらーっと並んでいる。壮観だけど写真では収めきれないのが残念。停まって写真を撮るライダーも見受けられる。北緯45°のモニュメントも一応撮ってしばらく走るといよいよ陽が沈んでいく。マップルにある「利尻に沈む夕日を見るポイント」とあるが細かい位置はわからず、適度なところで夕日を眺める。ちょうど利尻島に沈む夕日を見ることができた。道も夕日に照らされて綺麗。道はとにかく真っ直ぐ、前を向いても後ろを振り返ってもほとんど同じ光景、かつ絶景である。

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陽が沈んだ頃にRH “みどりの湯”に電話するも繋がらず、出発。地図上で近くに行っても全然わからなくて、電話がようやく繋がると、近くのセイコーマートで聞いてくれとのことなので、寄る。「セイコーマートへようこそ!!」ローカルコンビニの方が接客に心がこもっている感じがする。そこから徒歩で案内してくれて、19時“みどりの湯”に到着した。給油と翌日の朝食のパンを購入する。RHに入り宿泊費1000円をまず払うが、おばちゃんと「うわ、びちゃびちゃやん!(すいません…)まぁええけど。」とやりとりする。若干凹む。初めてのRHで、誰とどう話したらいいかよく分からずとりあえず併設の風呂に行くか、と思ってると同志が2人いて一緒に行く。むちゃ熱いと聞いてはいたけど、ホントに熱かった。昨晩のぽろぽろご飯のおにぎりと唐揚げをコソコソと食べて、横ベッドの大阪から来たという兄ちゃんに「隣やしよろしくー」と挨拶されてちょっとほっこりして、21時に集合がかかる。よく分からん有名らしい歌を肩を組んで歌って、1人1人自己紹介、出身地と乗ってるバイクと一エピソードを紹介した後、談話する。先述の兄ちゃんは、会社倒産ついでに、隼を買って1週間の北海道ツーに来たらしい。中2(?)の娘がいるらしく、2万円だけ置いてきたから心配だとのこと。小樽で早速コケて凹んだんだとか。主となっている兄ちゃんは、北海道での話を色々してくれたけど、下ネタも満載だった。先日までRH“はちみつ(?)”のスタッフをしていたというお姉さんがいた。そのRH聞いたことがあると思っていたら、チャリ旅で来ていた友人が泊まったと聞いていた。訊いてみると、知っているとのこと。そのお姉さんの兄が眼鏡で背が高いってことが似ていたから、“お兄ちゃん”と呼んでいたらしい。ラベンダーソフトの味をトイレの芳香剤と表現したのはこのお姉さんだったのだ。100円カンパで焼酎飲み放題で、夜中まで話し込み、25時に就寝する。この日は恵比島・オロロンライン、と北海道ツーの一番行きたかったところを満喫できクライマックスと言えよう。晴れの日は明日一日だけと聞いた。明日もめいいっぱい満喫しよう。